ゲーム&ウオッチを成功させた任天堂が、満を持して開発した家庭用ゲーム機がファミリーコンピュータである。当時アーケードゲームで人気があったドンキーコングが見劣りなく家庭で遊べる性能を目標に開発された。8ビットCPUを搭載し、本体のスロットに差し込むロムカセットを交換することで様々なゲームを楽しめる。またアメリカではニンテンドーエンターテインメントシステムとして発売され、冷え込んでいたアメリカのテレビゲーム産業を見事復活させた。

当時の家庭用ゲーム機としては群を抜く高性能を備えており、他の汎用コンピュータと比べれば少ないメモリ容量だったが、コストと性能のバランスを考慮し割り切った設計になっている。主記憶は、アプリケーションのROMカートリッジによる供給を前提に、16KbitのSRAMで構成され、音源は、デューティー比の変更が可能な矩形波と、ノイズ、三角波、DPCMが使用可能。当時の低価格帯の汎用音源を搭載したハードウェアよりも高い表現力があり、カートリッジ側とミキシング可能になった拡張スロットもあった。